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空想垂れ流し 短編について(一つ目:ギンガ・ナカジマの憂鬱)

短編について(一つ目:ギンガ・ナカジマの憂鬱)

タイトルにありますが、一応自分は某所で連載させてもらっています。しがない二次創作ですが。
その短編がについて、なんですがこちらのブログの方でこれからも連載しようかと思っています。
まずは一つ。こちらに掲載しておきます。
この次は次回投下が終わり、第二部が少し進んだ状態で(恐らく2話投下時)に掲載します。
では、まずは一つ目の短編。
「ギンガ・ナカジマの憂鬱」です。


「それで旦那さんとの新婚生活はどうなの?」
「・・・ラ、ラブラブです。」
 それは遠い明日。
 いつかたどり着くかもしれない幸福な日常。

SOWW
番外編「ギンガ・ナカジマの憂鬱」

 その日、ギンガ・ナカジマはおかしな状況を感じていた。
 簡単に言って気持ちが悪かった。
 それもかなり。
「・・・・き、気持ち悪い。」
 朝から数えてもうこれで何度目だろうか。彼女は朝から何度も何度も彼女はトイレに駆け込んでいた。
「・・・・・ギン姉、大丈夫?」
「だ、大丈夫よ。」
 現在、ギンガはスバルの部屋にいる。
 スバルと共に住んでいるのかというと答えはイエスでもありノーでもある。
 彼女が本来住んでいる家は別にあり、ここはたまたま間借りしているだけに過ぎない。
「本当に?」
「ええ、大丈夫よ。」
「本当に?ギン姉、そう行っていっつも無理してるしねえ。シンも大変だろうなあ。」
 ギロリとギンガの眼が光った。
「・・・・何か言った?」
 スバルはびくっと身体を震わせるとブンブンと首を振る。冷や汗まで流れている。
「う、ううん!?何でもないよ!」
 ははは、と笑いながらスバルは視線をそらす。
 詳細は省くが、ジェイル・スカリエッティが引き起こした事件からもう7年。
 ギンガは今も管理局勤めで現在は前線を退き、後進育成の為に教導隊に勤務している。
 そして、7年前と違うことはもう一つ。
 ギンガ・ナカジマはシン・アスカと同棲していた――というかぶっちゃけ、二人は付き合っている。
 一応、秘密にしているようだが、傍から見るともうバレバレである。
 大体、同棲してやることやっておきながら、秘密にするなど無理でしかない。
 おばちゃんくさいとそしりを受けながらも、未だに初心な乙女の如く赤面しながらシンの手を握るギンガと苦笑しながらそれに付き合うシン。
 どんだけ桃色オーラ出せば気が済むんだよ、お前らは!と言いたくなるようなバカップルである。
 さて、話を戻そう。
 彼女は今スバルの部屋にいる。これはどういうことか。
 時刻は既に夜の八時。
 いつもならシンのアパートで一緒に夕飯を食べている頃合である。
「・・・今頃シンは家で一人でご飯食べてるんだね。」
「う、うるさいわね、あの人のこと口に出さないで、スバル・・・うっ、気持ち悪い・・・・」
 そういってギンガはトイレに駆け込んでいき、胃の中の物を吐き出す。
 一通り吐いて、彼女は呟いた。
「・・・シンの馬鹿。」
 ―――発端は、ある日のこと。
 そりゃ、忙しいのは分かる。
 オーバーSランクの魔導師である彼は基本的にどこにでも引く手数多だ。
 けれど、それでも付き合いだした日を忘れることは無いだろう。
 お互いに忙しく中々時間の取れない二人だが、それでもその日だけは毎年必ず一緒にいたのだ。
 確かにギンガにも彼の事情は分かる。
 仕事と恋愛のどっちを取るといわれて選べる人間などいない。
 ましてや、シン・アスカは度が過ぎた人間だ。一途過ぎると言い換えてもいい。
 ギンガはそんなこと誰よりも知っている。伊達に長年連れ添っている訳ではない。
 けれど、それでも嫌だった。
 女である以上は避けて通れぬ独占したいという気持ち。
 それをいつも抑えていた反動だったのかもしれない。
 その時に限ってギンガは爆発してしまった。
 そして、言ってはならぬ言葉を言ってしまう。
「仕事と私、どっちが大事なんですか!」
 その言葉を吐いた瞬間のシンの顔。
 身を切り刻まれるようなその表情。それを見た時、ギンガは居ても経ってもいられなくなり、シンの部屋から走って逃げていった。無論、部屋から出た瞬間にブリッツキャリバーで全速で。慌てて追いかけようとしたシンが追いつけないほどの高速で。
 そして泣きながらギンガは気がつけばスバルの部屋の前にたどり着いた。
 スバルはそんなギンガを見て、驚きつつも快く部屋に入れてくれた。
 それから既に一週間。何度かシンは迎えに来てくれたのだが、その度にギンガは居留守を使って、シンを避けていた。
 シンの笑顔を曇らせたこと――それが何よりも辛くて。
「・・・・・うう」
 胸焼け。胃酸が逆流する。
 身体の調子がおかしくなったのもそれからだ。理由は・・・思いつく伏しは幾つかあるものの考えたくはなかった。
 おかげでギンガは今有給を消費して教導隊を休んでいる。
 それが余計に悪いのかもしれない。休息は心を休ませると同時に悩みに歯止めをかけない。止め処ない思考は混沌となり、自然彼女の心を軋ませる。
「・・・シンの馬鹿・・・・私の、馬鹿。」
 涙が毀れた。
 どうして、自分はこうなのだろうか、と。
 散乱する思考は纏まらない。極度の気持ち悪さと相まって、どんどんどんどん彼女を落とし込んでいく。無意識に彼女の手が腹部をさすっていた。
 そこに、声がした。
「あ、シン?」
 瞬間、ギクリと身体が震えるギンガ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・!!!ギ、ギンガさんはいるのか!?」
 そこには息を切らしたシン・アスカがいた。
「あ~、えーとね、居るといえばいるし、いないと言えばいないような・・・・」
(ば、馬鹿!ちゃんと誤魔化しなさいよ!!)
 ギンガさん、焦りまくりで思考はショートどころかエクスプロージョンです。
「いるんだな!」
 シンは答えを待つまでも無くスバルの部屋に上がりこみ―――そして、彼女を見た。
「あ、ちょっとシン!」
「・・・・・あ」
 そこには悪戯を見つかった子供のように少しだけ怯えたギンガがいた。
「ギンガさん・・・・帰りましょう。」
「い、嫌よ!」
「どうして、ですか。」
「だ、だって、シンは・・・シンは・・・シ、ンは・・・・」
 涙が止まらない。
 情けなかった。
「ごめんなさい、ごめんなさい・・・ごめん、なさい・・・・」
 嗚咽が漏れた。
 シンを傷つけたことが悲しくて。
 支えると決めたのに嘘をついたことが情けなくて。
 けれど、シンはそんなこと意に介すこともなく、優しく微笑むとギンガの身体に手を這わせ、包むこむようにして抱きしめた。
「シ、ン?」
「俺の方こそゴメン・・・ギンガさん」
 抱きしめられた――それで終わりだった。
 心が飽和する。嬉しさと悲しさがない交ぜになった複雑な気持ち。
 涙が止まらない。
 彼女は自分を抱きしめた身体に手を這わせ、離さないという風に抱きしめた。
「シン・・・シン・・・シン」
「・・・大丈夫だから。俺はずっと傍にいるから。」
「・・・・・イチャイチャするなら、よそ行って欲しいんだけどなあ。」
 スバルが唇をヒクヒクと震わせて、盛り上がっている二人を尻目にアイスを食っていた。
「うっ」
 ギンガが口元を押さえて、トイレに駆け込んでいく。
 その様をシンは驚きのまま見つめる。
「ギ、ギンガさんはどうしたんだ?」
 そう、聞かれてスバルは口に手を当てながら考える。
(言っていいのか悪いのか・・・・いいや、言っちゃえ♪)
「いや、なんていうか・・・・シンのせい?」
「なに?」
「シンのせいっていうか・・・・・まあ、若気の至りって言うか・・・・」
「な、何だよ、はっきり言ってくれ!」
「できちゃった♪」
「・・・・・・・・・・・・・え」
「シン、ご、ごめん、私・・・うっ」
つまり、それは悪阻。
ギンガ・ナカジマはシン・アスカの子供を確かにその時身ごもっていたのだった。

「それで旦那さんとの新婚生活はどうなの?」
「・・・ラ、ラブラブです。」
 目立つようになってきたお腹に摩りながら、頬を赤面させ、ギンガは買い物袋を片手に笑顔を返す。
 それは遠い明日。
 いつかたどり着くかもしれない幸福な日常。

テーマ : 二次創作
ジャンル : 小説・文学

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No title

いつみてもあなたの短編はいい出来です。
はやく三角関係の短編みたい。
ところでシンのデスティニーはミラコロ使えないんですか?

No title

ミラコロは無いです。
シンが今使ってるデスティニーは全ての距離に対応する為の武器なのでそれ以外の武装はつけられていません。

甘っ! ギンガさんったらもう激甘だ! いいぞもっとやれ!
……失礼、取り乱しました(笑)
いつも楽しませてもらってます。これからも頑張ってください。
ところで、フェイトverとかやりません?(爆)

フェイトさん単体の短編は今のところ予定は無いです。むしろ本編がしばらくスーパーフェイトタイムになりますので、いいかなーって感じで。
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