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空想垂れ流し 04.怪物

04.怪物

「それでお前は魔導師になりたいと?」
「はい。」

 身体中を包帯まみれにしたシンが神妙な顔のゲンヤ・ナカジマに言い放つ。
 その目はそれまでのように無気力なものではなく、真っ直ぐに前を見据える、赤い炎の眼。
 彼の中で燻っていた何か――その何かはゲンヤには分からないが、迷いが晴れたのは確かなのだろう。

「たしかに管理局は常々人手不足に悩まされてる。そしてこないだの事件みたいな襲撃も頻発している。優秀な人材は正直喉から手が出る程欲しい。」
「じゃあ」
「慌てんな。というかお前まだ魔法使ったことも無いだろ?」

 身を乗り出すシンをゲンヤは手で制すると静かに告げる。

「どっちにしても、その怪我治してからの話だ。」
「・・・はい。」

 ゲンヤはそう告げると、シンのベッドの横に備えられていた椅子から立ち上がる。

「そんじゃ、俺は行くぞ。なんかあったらすぐにギンガに伝えるように。」

 シンのいた病室から出てゲンヤは部屋の外で待っていたギンガと目が合う。

「・・・アスカさんは何を?」
「魔導師になりたい、だとよ。まあ、SSクラスの逸材ではあるからな。」

 その言葉を聞いて、ギンガは顔を伏せる。ギンガの脳裏には倒れる前のシン・アスカが焼きついていた。
 白い壁に一筋の線を引く鮮烈な赤。そして土気色の顔と動かない身体。正直、肝が冷えたとはあれのことだった。

「・・・アスカさんは魔導師になれるんですか?」
「あいつが望めば、間違いなく、な。デバイスも無しで魔法の理論も何も知らない人間が本能で魔法を使ったんだ。常識外れにも程がある。」

 それはそうだ、とギンガは思った。
 魔法というものを発動する為には複雑な工程があり、それを簡略化する為にデバイスという自動詠唱や魔法の発動補助を行うものが生まれた。現行の魔法はよほどのことがない限りデバイス無しでは使用することはない。

 更に―――次元漂流者が魔導師になった場合、それまで基礎的な訓練というものをまるで受けていないが故に基本的に魔法の使用はデバイスに依存することが多い。そしてそこから訓練を受けて基本を覚えていく。

 しかし、この間の襲撃の際に行われた広域スキャンの際に拾われた映像――どこかの監視カメラに映っていたシンと蒼い鎧騎士の戦いだ――から見えたのはそんな常識を覆すものだった。
 デバイスも持たない、全くの魔法の素人が、魔法を使っているのだ。
 無論、使用した魔法は魔力を炎に変換すると言う、資質があれば簡単に出来る魔法である。だが、それでもそれは異常だった。
 故にシン・アスカが望めばそれこそ引く手数多の受け入れ先があるだろう。
 今でこそ単なる魔導師志望だが、その素質は折り紙つき。成長性は凄まじく高く、将来的に高い戦力になることは間違いない。Sクラス・・・SS、もしかしたらその上さえも。

 だが、ギンガには一つの懸念――不安があった。それは件のシンの戦いだ。あの様子が頭から離れない。嬉しそうに微笑んだシン・アスカと戦いの中の悪鬼のようなシン・アスカが結びつかないのだ。

 あまりにも極端な二面性。
 ギンガにはそれが何を引き起こすのか分からなかったが、それでも一抹の不安を感じていた。

「・・・・」

 そう物思いにふけるギンガをゲンヤはじいっと見つめる。そして、「おお」と何か納得したのか、ニヤニヤと笑みを浮かべ出す。

「・・・・何ですか?」
「ギンガ、お前・・・・惚れたな?」

 瞬間―――ボンっと湯気でも噴いたかのように顔を真っ赤にするギンガ。

「ちょ、父さん、何言ってるのよ!!」

 混乱の余り、常には狂わぬ口調が素に戻ってしまう。

「隠すな、隠すな。そうか、あの堅物のギンガにもとうとう春が来たのか・・・・そうかそうか。父さん嬉しいぞ。多分、きっと母さんも喜んでるに違いない。」

 そう言って懐から彼女の母であり亡き妻――クイント・ナカジマの遺影を取り出すゲンヤ。いちいち芸が細かい。

「何でそんなものを持ってるのよ!」

 ニヤニヤしながらクイントの遺影に何事か呟いているゲンヤからばっと奪い取る。年の功なのか、性質が悪すぎる。

「……まあ、あの男はお前には荷が重いかもしれねえが・・・・頑張れよ。」

 そう言ってゲンヤはギンガの肩をポンと叩くと、彼女がその手に持っていた遺影を奪い取ると懐に仕舞いこむ。
 出口に向かって歩いていくゲンヤの後ろ姿を見ながら、ギンガは呆然と見送った。


 屋上――頭に包帯を巻き、病人服を着た、八神はやてとシグナムがそこに佇んでいた。
 彼女の前には空間に浮かぶ立体映像――念話による映像通信である。
 そしてそこに映るカリム・グラシア――ミッドチルダ北部に位置する聖王教会の騎士であり、時空管理局内で少将と言う地位を持つ正真正銘の実力者である――がいた。
 はやては神妙な面持ちでついこの間の戦いについて語っていた。

「カリム、あいつらについて何か分かったん?」

 はやては聖王教会所属であり自分の直属の上司でもあるカリム・グラシアにある依頼をしていた。
 入院して気が付いた時即座に連絡して。

『そうね。まあ、時間も無かったら何にも分からなかったんだけど・・・・一つ、異常な点が見つかったわ。』

 異常と言えばあの場にいた全ての存在その物が異常だったがこれ以上何があるというのだろうか。
 今思い出しても寒気がするほどの圧倒的な強さ―――いや、怖いのは強さではない。その正体がまるで見えないことが、だ。
 自身にとって虎の子であるはずのフェイト・T・ハラオウン率いる機動6課ライトニング分隊の完敗。
 それを行ったのはどこの馬の骨とも知れぬ人型の化け物。
 その上、あるカメラに写っていた映像から察するに、金髪の仮面の男が変貌した姿であることまでが判明していた。肉体そのものを変容させる魔法。それも恐らくは戦闘能力を得る為だけに。
 八神はやてとしてはこれ以上の悩みの種はごめんこうむりたいところであった。

『一応映像回してもらって確認したんだけど・・・この人・・・って言っていいのか分からないけれど、どうやら・・・・魔導師じゃない、みたいなの。』
「魔導師じゃない?」
『むしろ、人間に似た何か、と言ったほうがいいのかしら。魔力も感じ取れない、それに記録によると生命反応も通常とはまるで違う―――そう、まるで内燃機関でも搭載した機械。それが解析班の見解よ。』
「何や、それ?せやったら、この男は人間じゃない・・・・そういうことなん?」

 信じられないと言いたげに八神はやては呟き、カリム・グラシアはそれに言葉を返すことで対応する。

『恐らく・・・いえ、確実に、ね。この男は少なくとも人間じゃない・・・それに戦闘機人とも違う。完全に人間とは違うモノよ。』

 言葉の意味が理解できない。
 人間ではない。ならば、何と言うのだろうか。

『・・・・簡単に言えば化け物よ、はやて。この男の変貌には恐らく魔力が使用されている。けれど、魔法ではこの男の使った武器はどうしても説明できない。あれだけの大質量を人間の力で構成できるとあなたは思う?』
「・・・・・それは。」

 答えるまでもない。不可能だ。如何に不可思議に見えようとも魔法とは物理法則に従う術理。
 理であるが故に魔法は物理法則を越えられない。
 あれだけの大質量を個人の魔力で補うなど不可能に決まっている。
 呆然とするはやてを尻目にカリムは続ける。

『どんな技術が使用されてるかなんて正直想像もつかない。こんな技術、どこの次元世界でもまだ確認されて無い技術よ。』

 絶句するはやてを尻目にカリムは傍らに立つシグナムに向けて話しかける。

『・・・・シグナム、貴方なら勝てる?』

 シグナムはその言葉にあの化け物を思いだす。
 あの男に勝つ方法。
 幾つか方法はある。そして、その中でもっとも現実的な方法。それは―――

「私では無理でしょうね。テスタロッサが万全の状態ならばあるいは・・・・それも彼女と同等の能力を持つ者が幾人もサポートに回った状態でなら、なんとかなるかもしれません。ここからは私見になりますがが・・」

 一つ、言葉を切ってシグナムははやてとカリムを見る。続きを話していいのか、伺っているのだ。
 二人は同時に頷いた。シグナムはソレを見て、再び口を開いた。

「アレに勝とうと思えばまず第一に速度が必要です。あの雨のような攻撃を全て掻い潜り懐に入り込む速度と、そして、一撃で勝敗を決するだけの攻撃力。有り体に言って先手必勝。それくらいしか私には思い浮かびません。そして、それを出来るのは6課ではフェイト・T・ハラオウンただ一人。それ以外のメンバーではあの雨のような攻撃の前で沈むだけです。」
『・・・・でしょうね。私もそう思うわ。アレは単騎で現在の機動6課と張り合うだけの能力を持っている。』

 再び絶句するはやて。当然だ、時空管理局内部でも異常とすら言える戦力を集中した機動6課と、たかだか一人の人間―――人間かどうかは定かではないが―――が同等と言っているのだ。絶句する以外にない。

『・・・・問題は次にアレが出てきた時、どうするのかということよ。フェイトさんを6課の全戦力でサポートすると言う条件下で当たれば確かに勝てるかもしれない。けど、』
「敵がアレだけとは限らへん。万が一フェイトちゃんがやられた場合はその時点で終わりや。それに・・・・フェイトちゃんには――」

 苦虫を潰すような声。それでもはやては言葉を放つ。現状の認識を確かなモノとする為に。

「うちの子達じゃ・・・・多分無理や。」

 言葉を返さずにこりと笑うカリム。物分りが良くて助かる。そう言いたいのだろう。

『そうね、その通りだわ。あなた達、機動6課の子達の能力は確かに高い。正直、ここまで強くなるなんて思ってもみなかった。これからだってどんどん強くなるでしょう。』

 確かにそうだ。思い起こすあの子達――スバル、ティアナ、エリオ、キャロ。あの子達はきっともっと強くなる。だけど、

『それでも勝てない。あの戦い方―――ああいった相手の弱点を突く、傷口を抉る・・・そういう戦いに、貴方たちはまるで慣れていないから――ううん、シャッハやシグナムだって同じこと。そして相手の戦闘能力は間違いなくSSクラス以上。』
「笑えてくるな、ほんま。」
『ええ、その通りね。けど私たちは――貴方には笑っている暇は無いの。』
「うん、そうやね。」

 強いカリムの言葉。それに向き合うようにはやてはカリムから視線を逸らさず答えた。

『アレを倒す方法・・・考えられるのは、おびき寄せた上で大規模殲滅魔法で倒すこと。これなら反撃の暇を与えずに倒せる。本当ならこれを選びたいところなのだけれど、管理局の立場上これは選べない。』
「そうやね。周辺被害もとんでもないことになる。」
『だから選べるのはこれ以外の方法になる。単騎精鋭による一対一。それも速度と威力に優れた近接型の。』
「その、誰か一人を足止めに使うということなん?」
『アレがいるからバランスが崩れるのなら、バランスが崩れないように足止めすればいいということ。』

 たしかにいい方法だ。唯一の解決策と言ってもいい。だが、問題がある。

「けど、そんな人間どこにおる?」

 そう、その人材だ。それほどの強さを持った人間を倒せる人材など限られている。
 だが、カリムはその問いに即答する。

『一応、こちらで用意した人間を6課配属にして、出向させるわ。』
「・・・えらい、手際ええな。」
『ただ、少し時間がかかるわ。今、その男は別件で動いてる最中だから。それに・・・正直、この男は先程シグナムが言った条件には該当しないの。能力は申し分ないのだけれど―――だから、足止めの為にはもう一人必要になる。この男はあくまでサポートよ。突撃役はそのもう一人になるわ。だから、はやて―――』

 言葉を切って、八神はやてを覗き込むカリム・グラシアの瞳が鋭くなる。それはあまり表には見せない表情。“謀略”を実行する魔女の顔。

『―――そこで、提案があるのだけれど』
「提案?」
『彼はどうかしら?』
「彼?」

 はやての顔が僅かに曇る。

『シン・アスカ。報告書ではSSクラスの潜在魔力量を持っているらしいわね。』
「・・・せやけど、彼はまだ魔導師ですらあれへん。それに彼の適正もまだ分からへん。」

 その八神はやての当たり前の返答にカリム・グラシアが嗤う。先程の魔女の微笑みで。

『なら、そういう風に鍛えてもらえないかしら。』

 謡うように軽やかに。その言葉は羽毛の如き軽さで以って八神はやてに襲い掛かる。

『正直、適任よ?戦争を経験して、その後何年間も戦闘に従事している。死線を潜り抜けた経験は恐らく6課の誰よりも多いでしょうね。汚い手管への対処法も学んでいる・・・少なくとも貴方たちよりは。』

 八神はやては奥歯をかみ締める。言い返せないからだ。その通りだと理解しているからだ。

『勿論、普段はスターズかライトニングのどちらかに所属させることにはなるけど、アレが出てきた場合はこちらが送る戦力と共同で足止めすることになるわ。6課の戦力を損なうことなく、ね。それに、こちらから派遣する男のたっての希望でもあるわ。シン・アスカを自分の部下に欲しい、とね。』
「・・・・どういうことや。」

 搾り出すような八神はやての声。カリム・グラシアは視線を逸らすことなく答えを返す。

『言った通りよ。シン・アスカ個人を指名しているのよ。こちらから送る戦力は。』

 ―――八神はやては今度こそ解せなかった。この強硬手段とも取れるようなシン・アスカの採用。確かにその案は自分も考えた案だ。考えて・・・・そして、破棄した。
 この考えはシン・アスカの潜在能力に依存した考えだ。そして、彼をこちらの思う通りの戦力として成長させると言う理総論でもある。
 人の成長過程と言うのは複雑なモノである。陸上競技で言えば短距離走者を望んでいても練習の過程で中距離走の資質を見つけられ、そちらに移行する。そういったことが往々にしてある。

 誰も他人の才能を思い通りに成長させるなど出来はしない。人間の育成とはゲームではないのだ。
 カリム・グラシアの言っていることは正にそれだ。“そういう風に鍛えろ”などと現場を知らない単なる素人意見以外の何物でもない。彼女自身がそんなこと不可能だと知っているであろうに。
 そして、もう一つ。シン・アスカ個人を名指しで指名していると言うことが何よりもおかしい。
 名指しと言うことはシン・アスカを知っているということだ。この世界に来てまだ間もないばかりの彼をどうして知っているのか。

「どういうことや、カリム。何で彼のことをそこまで知っているんや。」
『彼と同じ次元世界の出身者―――そう言えば納得出来るかしら、八神はやて二等陸佐?』
「・・・・・なん、やて?」
『その男がこう言っているのよ。“シン・アスカならば、その預言を覆す”、とね。勿論、確かな情報として、こちらで確認したわ。』

 ―――詳細についてはまだ言えないのだけれどね。そう、彼女は言葉の後に付け足した。
 躊躇い無く返された答えにはやては、とうとうカリムから視線を逸らし、俯いた。
 二等陸佐――その言葉に込められた重みに耐えながら。

「・・・・・彼を、鉄砲玉にしろ言うんか、カリム。」
『ええ、その通り、捨て駒にしろと言っているのよ、八神はやて“二等陸佐殿”。預言を覆す為に、ね。』

 言葉に嘘は無い、とはやては感じていた。例えも何も無い。
 これは“何も知らない人間に鉄砲玉になれ”というのと同じこと。それは“死ね”と命令するのと何も変わらないのだ。
 しばしの逡巡。そして、彼女は沈痛な面持ちで呟いた。

「少し、考えさせてくれへんか。」

 彼女はそういって踵を返し、屋上のドアを開けて、降りていく。シグナムもその後に付き従って降りていった。

 ――通信を切り、聖王教会の自室でカリムは目の前に置かれた紅茶に口を付ける。

「これでいいのかしら?」

 腰まで届くような長いウェーブがかった黒髪を後方で纏め、顔には銀色の仮面をつけたスーツ姿の男がいた。どこか優美な品の良さを感じさせる仕草の長身の優男が彼女の前の椅子に座りながら、頷きながら紅茶に口をつける。

「問題ない。むしろ、そうでなくては困るさ、カリム・グラシア。それはキミも分かっているだろう?」
「・・・そうね、分かってるわ。これからの危機は犠牲無しじゃ乗り切れない。あの子にもそれを自覚して貰わないと・・・それに、どの道、この方法しかないのでしょう?」

 優雅な仕草で紅茶のカップを口から離し、テーブルに置く。
 男は確かに、と呟き、自分の前におかれた紅茶を同じくテーブルに置いた。
 カリムはため息を吐いた。
 彼女自身、このような方法を使うのは本意ではないのかもしれない。

 だが、此度の事情はそんな本意を置き去りにしなければ解決できないほどに重大だった。
 彼女が言った預言。『預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)』。
 古代ベルカ式魔法の一種であるそれは、最短で半年、最長で数年先の未来を、詩文形式で書き出した預言書の作成を行う魔法。的中率や実用性は割とよく当たる占い程度ではあるが、以前、カリムが預言した詩文は時空管理局の崩壊を示していた。
 二人はそれを覆す為に機動6課を設立し、一切の犠牲を出すことなく、聖王のゆりかごを破壊し、防ぐことに成功した。J・S事件と呼ばれた事件の終息である。

 そして預言はこれで覆した。そう、誰もが思った。
 だが、J・S事件の黒幕である、ジェイル・スカリエッティの脱獄により状況は一変する。つまり、預言の事件はまだ終っていないのではないのか、と。目の前の男から得た情報、そして今回の事件で彼女はそれを確信した。そして、これは時空管理局史上に無いほどの強大な闘いになるであろうことも。
 そして―――ある日、予言が追加された。
 追加された預言。それは末尾に以下の一文が追加されることとなる。

『だが、心せよ。朱い炎だけがそれを止める。狂った炎は羽金を切り裂く刃となるだろう。』

 これはあの襲撃が起こった日。そう、八神はやてが撃墜された、あの日に書き込まれた。
 現在、これは管理局の中でもカリム・グラシアと八神はやてしか知らない。
 預言が追加されることなど原理的にあり得ないことだ。だが、それが起こった。そして書き込まれた記述。
 彼女の能力『預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)』とは、曖昧な世界の運命を書き出す能力である。それはただこれから起こるであろうことを淡々と書き出すだけであり、その性質上、的中率はどうしても低くなる。『未来』という曖昧で確定されていない事象を観測すると言う能力であるが故に。
 だが、この一文はそれとは明らかに違う。これは預言ではない“伝言(メッセージ)”だ。
 どうやって、自身の魔法に干渉したのかは定かではない。その方法も、発生条件も、発信場所も全てが定かではない。
 だが、カリム・グラシアが決意を固めた理由。その一つがこれであった。
 故に彼女は本意を置き去りに、解決を求めた。
 彼女がこれから八神はやてに強いることはそういった類のことだ。そして、そうでなくては事は成しえない。数多の次元世界に降りかかる焔を払う為には。

「では、行くとしよう。まだ、準備は残っているのでね。」

 男はそう言って、立ち上がり、出口に向かう。
 ドアノブに手を掛け、男は外に出て行った。その背中に向けてカリムは呟く。

「では、後は頼みますよ、ギルバート・・・・ギルバート・デュランダル。」
「・・・・今の私はデュランダルではない。グラディス・・・・ギルバート・グラディスだ。」

 ギルバート・デュランダルと呼ばれ、ギルバート・グラディスと名乗った男は彼女に背を向けたまま部屋を後にした。


 部屋の中は混沌と化していた。
 ギンガやはやての予想以上に子供の面倒見がいいシンは、すぐにエリオやキャロと意気投合。
 ついでに同室にいたフェイトも一緒に4人でトランプをしていた。ちなみに内容はババ抜きである。
 ギンガはいきなりのその様子に少し呆気に取られてしまっていた。
 昨日までのシンなら決してこんなことはしなかった。絶対、間違いなく、確信が持てるレベルで。

(な、何があったの!?)

 焦るギンガ。当然だ。辛気臭いことこの上ない、陰鬱この上ない男がいきなり無邪気な少年のように人の輪の中に溶け込んでいるのだ。
 彼女でなくとも何があったのか、聞きたくなるに違いない。

「フェ、フェイトさん、これどういうことですか?」
「あ、久しぶり、ギンガ。・・・これどういうことって?」
「いや、アスカさんが妙に打ち解けてるので・・・・」
「良い人よね、アスカ君って。キャロやエリオ、私のことも慰めてくれたし。」

 嬉しそうに微笑むフェイト。
 信じられない。何事にも無関心無気力だったシン・アスカはどこいった。ギンガは何か詐欺にでもあったような気分だった。
 
「あ、ナカジマさんも来てるならババ抜き一緒にやりませんか?」
「い、いえ、私はいいです。」

 シンに呼びかけられ、ギンガは一層疲れてきた。心の中で思ったことは一つだけだ。

(いや、貴方誰ですか?)

 ついこないだまでのシン・アスカはどこにいったんだ。少しだけ、肩肘張って気合入れてきた自分が馬鹿馬鹿しくなって―――

 ――お前、惚れたか?

 先ほどの父の言葉が舞い踊る。

(いや、私は別に気合入れてなんて無いし、そういうのじゃないし、別にアスカさんがどうこうなんてないんだから)

 ぶんぶんと頭を振るギンガ。傍から見るとこっちの方が危ない人である。

「・・・・何してんのや、ギンガ。」
「はっ!?や、八神部隊長、お久しぶりです!」
「いや、久しぶりはええねんけど、椅子に座ってぶんぶん頭振って何や?ライオンの真似か?」
「い、いえ、違います。気にしないでください。」
「まあ、ええけど。ほんでギンガは・・・あ、アスカさんの見舞いか?」
「ええ、そうです。」

 そう言って4人で仲睦まじくババ抜きをしているシンに目をやる。

「部隊長はアスカさんのこと知ってます・・・よね?」
「一回だけ会ったことはあってんけど・・・ああいう人やったかなあとは思うてるね。」

 はやての頭にあるシンはやる気の無さそうな無気力人間だった。ところが目の前にいるのは非常に人当たりのいい好青年である。180度ターンというよりも次元跳躍ターンと言っても過言ではなかった。

「いえ、違う、と思うんですけど・・・・」

 混乱する二人を尻目に4人はトランプに熱中していた。
 まずはエリオが一番、キャロが二番、現在負けをシンとフェイトで最下位争いをしている。
 両者の性格――思い立ったら一直線――が如実に出たような結果である。

(あんな子供のようなフェイトちゃんは久しぶりやな。)

 口には出さずはやてはそう思った。
 そうこうする内に勝負は決まったらしい。何とかフェイトが上がってシンが最下位。

「・・・それじゃ、ここらへんにしようか。キャロもエリオも明日にはここ出なきゃいけないんだしね?」

 優しくフェイトが諭すと

「はい!」
「分かりました!」

 と、元気よく返事を返すエリオとキャロ。実に素直ないい子供だった。

 ―――シンの笑顔の理由の一つにこの二人があった。

 シン・アスカには妹がいた。マユ・アスカ。故人である。
 シンは家族の遺した唯一の形見として戦時中マユの携帯を肌身離さず持っていた。
 家族で一緒に住んでいた時も帰りの遅い両親の代わりにシンが勉強を教え、夕食や掃除を二人で行い、両親の帰りを待つ。シン・アスカとマユ・アスカはそんな仲睦まじい兄妹だった。
 キャロとエリオ。彼らはちょうど年齢も同じくらいで、シンにそれを思い出させていた。

 そしてもう一つ。今のシンには迷いが無いのだ。やりたいこと。やるべきこと。
 シン・アスカは「誰かを守る」という自分の道を選んだ――それは選ぶべくもなくそこにあったのだが。
 結果として彼を覆っていた無気力は今や存在しない。ここでこうして落ち着いているのも身体を治す為だ。ゲンヤは怪我が治ってからだと言った。全てはそれからなのだ。
 シン・アスカはそうやって自分の中の問題に人知れず整理をつけていた。エリオ、キャロ、フェイトは「整理をつけたシン」にしか会っていないから「整理できていないシン」のことしか知らないギンガやはやてとは話が噛み合わないのは当然だろう。
 ちなみにエリオとキャロとフェイトは肋骨の骨折などで一週間―――両者共に咄嗟に張ったシールド及びプロテクション等の魔法防壁とバリアジャケットの性能によってその程度で済んだのだった―――程度であり、シンは全身の裂傷と打撲と肋骨の骨折、右拳の骨折、火傷などで全治2週間―――火傷や裂傷は魔法によって優先的に治癒された―――だった。
 一時は危険な状態だったものの一度峠を乗り越えてからはこの部屋に移された。余談だがシンが目を覚まし、「自身の願いを確認した」のは峠を越えてからのことである。

 仲睦まじいエリオ、キャロ、フェイト。それはまるで本当の親子のように――実際義理の親子なのだが、そんなことをシンは知る由も無い――見える。そんな三人に充てられたのか、シンは立ち上がると、

「俺は少し、外に出てくるよ。」

 と、呟き、病室から出て行った。出て行く一瞬前、ギンガに目配せして。
 ギンガも立ち上がり、その後を追う。何か話しがあるのだろう。そしてその内容をギンガはおおよそ予測していた。


 屋上と言うのは秘密の話をするには実に適している。
 密室ではないが、実質的には密室なので誰かに話を聞かれる心配はないからだ。
 別に、シンが今からする話は他の誰かに聞かれたところで不都合があるわけではないが。

「魔導師に?」
「はい。魔導師になるにはどうしたらいいのか。それを教えて欲しいんです。」

 それは半ば予想できた問いだった。
 昨日のシンの態度を見ていればこうなることは見えていたし、ゲンヤにもシンは同じことを聞いている。その時は素気無く「怪我を治せ」で終ったようだから今度はギンガに、ということだろう。

 けれど彼女には分からなかった。力を求める理由、ではない。どうしてこの世界で戦おうとするか、その理由がだ。
 彼にしてみれば縁も所縁も無い別の世界。
 その世界でその世界の為に――実際はミッドチルダの為だけではないが――戦おうとする理由。それがギンガには見えてこなかったのだ。

「魔法を覚えるのは別に構わないんですが・・・・どうしていきなり?」
「別に大した理由じゃないんだけど・・・・俺の経歴、知ってますよね。」
「ええ」

 報告書を書いたのは彼女なのだ。知らないはずがない。

 ―――軍に入ったのは力を手に入れる為。戦後、再び軍に入ったのは戦う力の無い弱い人達を守る為。

 彼はその為に力を手に入れ、そして戦い続けた。けれど、彼は此処にきてその目的を失い、無気力となった。自分には何も出来ない。自分は無力だから―――と。
 そこで、ギンガは思い至る。一つの結論に。

「時空管理局は“守らせて”くれるんでしょう?」
「え、ええ。それが仕事ですから。」

 真摯なシンの態度にギンガはたじろぎながら、答えた。

「だから、魔導師になりたい。時空管理局に入りたい。そこで俺にも「守らせて」欲しい。それだけです。」

 彼は嗤う。あの「無邪気な笑顔」で。
 ギンガはそこで確信した。自身の出した結論に。
 彼は、今、自分で言っている通り「守りたい」だけなのだ。その結果、何が起ころうとどんな結果を産もうと関係なく、ただ有象無象を老若男女を問わず眼に映る全てをただただ「守りたい」だけ
本来なら守ると言うのは目的のためだ。

 「愛する人」を「守る」。「大切な夢」を「守る」。

 だけど彼は違う。シン・アスカは「守りたい」から「守る」のだ。目的が手段と成り果てた妄執である。

「も、元の世界に戻ると言うのは考えなかったんですか?」

 少しだけ彼の雰囲気が変わる。にじみ出る陰鬱。それは彼女が良く知るシン・アスカの空気。
 シンの瞳が射抜くようにギンガを見つめた。

「それを考えての結果です。あの世界に戻ったところで、もう誰も“守れない”。だから、俺は、ここにいたい。」
「アスカさん・・・・」

 かすれた声でギンガは呟く。それは彼の言葉に感動してなどという理由ではない。
 彼の言葉に、願いに圧倒されて、だ。寒気と同時に怖気を感じ取り、ギンガは目前のシン・アスカに得体の知れない恐怖を覚えた。
 その時、がちゃりと音がする。屋上のドアが開く。二人はそちらに注目し、そして、

「あー、なんや、重要な話しとるようやけど私も混ぜてもらってええかな?」

 そこには、しれっとした顔で「盗み聞きしてましたよ」と言いたげな八神はやてがいた。

「・・・何の用でしょうか、八神2等陸佐殿。」

 シンの雰囲気が変化する。
 話の邪魔をされたことが気に食わないのか、それとも自分の「邪魔」をするのだと予想したのか。
 敵意をむき出しにして、シンははやてを睨みつける。
 シンが醸し出す「敵意」。はやてはそれを微風のように受け流し、二人の傍に歩み寄り、シンに向かって話し出す。
 一触即発。当人同士はどうなのかは分からないが、ギンガから見る二人はそう見えた。今、ここで戦いを始めてもおかしくはない。そう思える程度には。
 はやてが口を開く。

「盗み聞きするつもりはなかったんやが、ちょっと聞こえてきたもんでな。アスカさん、さっき言ったことに偽りはないんやな?」
「・・・ええ、例え誰が嗤おうとも、俺にとってはソレが全てです。」

 嗤いたければ嗤え。シンは言外にそう言っている。
 はやてはそんなシンの心情を察しているのか、いないのか。あくまで淡々とした態度を崩さない。

「さよか。」

 何事か思案するはやて。そして、十秒ほど経った後彼女はシンに呟いた。

「魔導師になりたいんやったな?」
「はい。」

 躊躇いなく返される答え。
 はやてはその返答に満足したかのように頷き、言葉を口に載せる覚悟をする。そう、これは覚悟だ。指揮官として、「使う側」であることを肯定する覚悟。
 シン・アスカを鉄砲玉にしろ。カリムはそう言った。はやてはその問いに返答出来なかった。彼女には覚悟が無かったからだ。
 「死んで来い」と部下に告げる覚悟が。だが、それが無ければ、彼女を撃墜し、ライトニングを倒したあの化け物と渡り合えないのもまた事実。
 小を取って大を生かすか、それとも一蓮托生で戦うか。
 どちらを選ぶべきか。彼女はそれを迷っていた。覚悟を決められなかった。だが、

 ――守らせてくれるんでしょう?

 シンがギンガに言い放ったその言葉がはやてに覚悟を決めさせた。
 捨て鉢なその言葉。自分を一発の弾丸としか思っていないその言葉が、はやての奥底にある記憶の琴線に触れた。そう、10年前。救えなかった彼女を思い出させた。

 リインフォース。闇の書の管制人格であり、己の名前も忘れるほどに辛く長い世界を歩いてきた守護騎士ヴォルケンリッターの一人。そして、八神はやてにとっての忘れられない「犠牲者」。
 思い起こすは彼女との最後のやり取り。


 空に消えていく彼女にはやては泣き叫んだ。

「やっと、やっと救われたんやないか。」

 そうだ、彼女はようやく救われたのだ。

「私が暴走なんかさせへん。だから消えたらあかん。」

 長い年月を渡り歩いてようやく見つけた安息のはずなのだ。

「駄々っ子は友人に嫌われますよ。聞き分けを」

 なのに、彼女は諦めて、勝手に覚悟を決めて、

「これからもっと幸せにしてあげなあかんのに」

 これからなのだ。これから彼女の前にはもっともっと幸せなコトがたくさん待っている。生きていれば、そこにいるだけで、彼女は幸せになれるはずなのに。

「大丈夫です。私はもう世界で1番幸福な魔道書ですから」

 けれど彼女は嬉しそうに、幸せそうに微笑んだ。彼女は消えた。遺されたのはその欠片。

 ――それが八神はやてに残された癒えない傷痕。
 シン・アスカの言葉はそこに触れた。
 互いに掛け替えの無い「喪失」を経験し、その為に力を求めたシン・アスカと八神はやて。
 方向は違えども、二人の本質はよく似ている。そして至った道は真逆の道。

 シン・アスカは守る為に全てを捨て、八神はやては守る為に全てを欲した。

 それゆえに、全てを欲する彼女にとって自分の命に欠片も意味を見出せない彼の言葉、それが彼女には許せない。
 だから、彼女はこう思った。
 ならば、守らせてやろう。その為の力をくれてやろう。そして、決して止めることなく守り続けろ、と。

 カリム・グラシアとその配下の男――それが誰なのかも定かではないが―――が何を考えていようと、自分は、八神はやては決して捨て駒になどしない。鉄砲玉になどさせるものか。鍛えて、鍛えて、鍛えて、鍛え続けて、全てを覆す最強として君臨させてやろう、と。
 その力で以って全てを守ってみせろ、と。
 そんな彼女にシン・アスカの敵意など如何ほどの意味も無い。
 内に秘めた怒りのまま彼女は続ける。こちらを睨みつけるシンに笑顔すら忍ばせて。

「それやったらアスカさん、私のところに来る気ない?」

 だから、この言葉が出る。カリム・グラシアの言った指示。その“斜め上”を行く為の一歩目の言葉が。

「は?」
「え?」

 鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする二人。はやては微笑みを浮かべながら付ける。

「私のところ・・・機動6課で鍛えてみんかと思ったんやが。」
「俺が、ですか?」

 そうや、と頷きながらはやては続ける。

「勿論、今のアスカさんじゃ来てもらうのは難しい。せやからBランク試験に受かる言う条件がつくが。」
「Bランク!?」

 驚くギンガ。新人魔導師にとっての最初の難関。それは魔法をまるで知らない素人に突きつけるコトではないからだ。
 だが、そんなことを知らないシンは――いや、彼ならば知っていたところで変わらないかもしれないが――はやての返答に答える。唇を喜びで歪ませながら。

「・・・・八神さんのいるところは、俺に“守らせてくれる”場所ですか?」
「そうや。あんたの望む通りに“守らせたる”。老若男女問わず一切合切選ばず全部守ってもらう。あんたが望む限り、ずっとな。怪我して・・・死んで休んでる暇なんて無いくらいにな。」

 その答えにシンは我慢できずに笑みを浮かべた。
 唇を吊り上げ、瞳を吊り上げた、獰猛な獣の笑みを。

「そのBランク試験っていうのに受かればいいんですね?」
「いや、アスカさん、Bランクって言いますけどそれはかなり・・・」

 そのギンガの言葉を遮って、はやては続ける。

「そうや。次の試験は準備期間を含めて今から3ヶ月後。アスカさん一人で受けてもらう。それでもええか?」
「・・・・俺はそれに受かれば“守れる”んですね?」
「そうや。」
「分かりました。」
「そんなら、また三ヵ月後にな。連絡は追ってするから、アスカさんはそれまで訓練したっといて。そうやな・・・ナカジマ三等陸佐に私から進言しとくさかい、ギンガがアスカさんの相手してあげてくれへんか?」
「わ、私がですか?」
「そうや。もう、知ってるやろうけど、またギンガには機動6課に出向してもらうことになってる。アスカさんにも来てもらうんやったら適任は・・・ギンガやろ?」

 そう言われると立つ瀬も無いギンガ。確かにその通りである。共に同じ部隊から出向する形になるのだ。引率するとしたら自分以外には無い。

「わ、分かりました。」
「よし、ほんならな。二人とも。」

 八神はやては踵を返すと二人の元から離れていく。

(・・・・またカリムに頼んで裏から色々と手を回してもらわなあかん、か。焚き付けたんはあっちやし、無理にでもしてもらうけど・・・)

「八神はやてさん!!」

 歩きながら思考に耽っていたはやてに後ろから大きな声がかかる。
 振り返るとシン・アスカが真剣な面持ちをして直立不動で彼女に向かって立っていた。
 何事かと彼女は怪訝に思い、

「本当にありがとうございました!」

 そのまま一礼。
 そして再び直立不動に戻る彼の顔には本当に綺麗なギンガが見惚れたあの笑顔があった。
 コロコロと変わる表情。きっとそのどれもが本心からの表情なのだろう。傍らのギンガはそんなシンに圧倒されて言葉も無い。

 清廉潔白で純粋無垢な欲望の塊。人はそれを怪物(モンスター)と呼ぶ。彼は今その入口に足を踏み入れたのだろう。

「――は、そういうのは受かってから言うもんやで、アスカさ――いや、シン・アスカ。」

 彼の言葉に笑顔を返す。それは先ほどまでの何かを溜め込んだ笑顔ではない。本当の彼女の笑顔だった。
 ――その笑顔は彼女もまた踏み入れたことの証。表と裏が乖離した化け物共の一端に。
 爽やかな風が吹く―-―風だけは爽やかだ。風には心象は映らない。

 ギンガは恐れる。シン・アスカを。彼の選んで歩く道のその果てに彼がどうなるのか。それを恐れる。

 はやては挑む。シン・アスカに。彼が選んで歩く道のその果てに彼がその道を越えていけるのか。それに挑む。

 彼らが選び、駆け抜ける道は血と硝煙が渦巻き、死臭と腐臭が漂う獣道。
 その果てに何が待ち受けるのか。今はまだ誰も知らない―――。

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